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2017.09.06 Wednesday
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日本の妊活と不妊治療
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こんにちは
ずいぶんと秋めいてきたこの頃ですね。
先日は、女性鍼灸師フォーラムの勉強会に参加してきました。今回は、不妊治療に関するものでした。
当院も30代から40代にかけて9割は妊活の患者様ですので、大変参考になるお話でした。
● 北里大学 東洋医学総合研究所 森 裕紀子(産婦人科医)先生による不妊漢方について
● みなとみらい夢クリニック看護師・生殖心理カウンセラー 荒木 志保 氏
● 出産医療ライターの河合 蘭 氏 取材で感じた日本の「妊活」の問題点
妊活でいらしている患者様には、漢方との併用を以前からおすすめしていましたが、ケースバイケースもちろん大きく、しかし、森先生のご経験の症例報告をお聞きしてあらためて効果を認識しました。
ただ、妊娠してから特に、妊娠5〜10週は、薬の影響が出やすいので注意したいのと、逆に育児中は、母乳に含まれる薬の影響は、2パーセントだけなので、あまり心配しなくて大丈夫との事でした。
荒木さんのお話では、日々の患者さんのカウンセリングの中で、感じたことをお話しいただきました。その中で、妊活中で鍼灸院に通われている患者様はかなり多く、鍼灸師に対する信頼度も高いようです。そうしたことも踏まえてより慎重な発言を大切にしてほしいとのことでした。また、夢クリニックは自然周期の治療でその様子もうかがうことができました。
河合さんのお話は、現代の日本の妊活の問題点として、他国に比べてスタートがとても遅くあきらめる年齢も高い、いまだに話しにくい話題、医学的マニュアルがない、治療施設の成績が公開させていない、宣伝やムードに流される傾向にあるとの事でした。体外受精の治療件数は、世界一なのに、採卵当たりの出産率は最下位の日本。詳しくは、河合さんの著書を読むとさらに理解できることでしょう。
今回、日本の不妊治療に関して、統一されたマニュアルがないので、病院によって治療方針の大きな違いがあることのあらためて驚きと、そのなかで患者様自身が選択していくことの重要性と大変さを感じました。そして何より、ご本人が一番ストレスや不安のなかで不妊治療を継続されていることに、寄り添った立場での日々の施術の大切さを実感させられました。これから、妊活を考えようとされている方には、35歳過ぎると身体的にも個人差が大きくなってくるので、早めにスタートすることを願っております。
当院では、最高で45歳の方が、出産されております。本当に年齢だけではないので、日々の生活を一つ一つ大切にして、自身の身体と真摯にむきあっていただきたいと思います。
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2017.05.05 Friday
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理想の産院・産後院
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連休前に、さくら市氏家にあるさくら産院・さくら産後院の見学会に参加させていただきました。
医療法人帯経会 理事長の大草 尚先生はじめ、栃鍼会と女性鍼灸師フォーラムの辻内先生に感謝です。
さくら産院では、産婦人科医の大草先生が、妊婦さんに逆子をはじめつわり、腰痛などマタニティーのマイナートラブルの改善のため鍼灸をされてます。
管理栄養士さん、健康運動指導のインストラクターを常駐されていて産前産後のエクササイズのできるスタジオまであり、
保育士さんがてくれるので安心して上の子を預けて受診もできます。また、アロマのエステもうけられちゃうのです。
なんとも素晴らしいのが、産後の母体の回復を考慮し、心身ともにケアしてくれる産後院があることです。
出産後は赤ちゃんは、定期的に健診がありますが、お母さんにとっては、心身ともにケアしてくれる安心できる居場所が、ないのが現状です。産後うつをはじめ様々な体調不良に悩まされているお母さんもたくさんいます。
こんな理想的なところが、あったのに感動的でした。下の写真は産後院の中庭と大草先生が鍼灸治療されている部屋です。
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2016.07.14 Thursday
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産後ケアと母子支援
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毎日、ムシムシ蒸し暑いですね。
最近、妊婦さんの来院が多いです。特に逆子で。この時期のエアコンによる冷えは、大敵です。
様々なマイナートラブルの中でも、逆子にもなりやすくなりますので、気をつけたいものです。
先日の、女性鍼灸師フォーラムの勉強会は、産後の母子支援についてでした。
日本赤十字社医療センターの助産師の坂上先生はじめ、前回の産後ケアの勉強会の今どきの産後ママの現状と題して、
棒田明子さん(NPO法人孫育てニッポン理事長、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、3・3産後サポートプロジェクトリーダー)と乳児期の子供の発達と母親との相互作用と題して、小児科医の堀内先生によるお話も合わせて、いくつかお話ししたいと思います。
育児の環境として、現代の日本社会において、産むまでは世界一、生まれてからは母親任せ、産後は、医療から地域へ移行連携が課題に。昔は、産後は3週間を区切りに床上げでしたが、高齢出産が多くなり母体の負担もかなりしんどくなりますので、3か月を区切りに考えるほうが良いとの事、また、昔よりも入院日数が減少し、核家族化や高齢出産にともない、遠方の実家では祖父母の共働きもしくは、病床であることから、産後の母親の負担は、想像以上です。もともと精神疾患のある妊婦さんの増加もありますが、さらに産後うつにもなりやすい環境が、現時点での日本社会の現状といううことでした。
確かに、当院に来院されている子育て中や妊婦さんの患者様を考えても、開業当初の頃と比較してみても、取り巻く環境事態がかなりしんどそうです。治療をしながらの対話も一番多いかもしれません。治療中にも涙流される方も時々いらっしゃいます。お子さんが3歳未満の子育て中の方は特にたいへんな時期ですよね。保育所や幼稚園など育児が分担される環境になるまでが。
母親自身が出産、育児に直面した時に、自身の幼少期に言語化されていない心の中にしまいこんでいた体験をわが子を目前にし、思い出すそうです。これは、自身が親になった時に、はじめて自分自身と向き合わなくてはならなくなることです。
赤ちゃんは、過去と未来を引き連れてやってくる。
親は、自分の過去と未来を赤ちゃんと自分の現在に挿入し、現在を生き、赤ちゃんと自分の未来を創り出そうとする。
夜泣きで大変な思いをしているお母さんも多いと思います。そもそも、赤ちゃんはお母さんのお腹に居るときから夜型なのです。
夜泣きして当然です。3歳半が目安だそうです。また、大人と同じ睡眠のリズムになるのは10歳だそうですよ。抱っこをした時には、背中だけでなく、おしりの真ん中を縦にやさしく摩ってあげましょう。きっと、落ち着いて眠ってくれますよ。くれぐれも背中をとんとん強くたたかないようにしましょうね。
育児中、特にお母さんが一人でほとんどの時間、お子さんを見ている方は、できるだけ外出し、たくさんの方々と会話するようにしてください。お母さんにとっても赤ちゃんにとっても最高の妙薬です。
また、地域にある子育てサロンには保育士さんなど相談できる専門の方がいますので、ぜひ利用していただきたいです。
もちろん、当院は完全予約制ですので、患者様がよろしければお子様連れでも受診できますので、お問い合わせくださいね。
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2016.02.10 Wednesday
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男性不妊
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神奈川県鍼灸師会と女性鍼灸師フォーラムとの合同共催での研修会に参加してきました。
先日の日曜の横浜は、かなりの寒さでした。
でも、中華街のランチでホカホカになり、心地よい気分で研修会会場に〜
演題 「男性不妊」
・長野赤十字病院の第一泌尿器科部長 医師の天野俊康先生 「男性不妊の基礎とLOH症候群(男性更年期)について」
・明治国際医療大の鍼灸学博士の谷口博志先生 「鍼灸研究の現在と臨床応用の可能性」
泌尿器科の中でも、男性更年期、男性不妊専門の医師は、1割程度で全国的にもかなり少ないそうですよ。そのご専門の天野先生のお話の中で、特に印象深かったのは、男性ホルモンはストレスによる影響で減少しやすいとのこと、不妊治療中に、旦那さんが鬱になりましたというお話もよく伺いますが、あらためてうなずけます。あまり、女性側は、男性にあまりプレッシャーをかけすぎないように配慮も必要との、最後、辻内先生もおっしゃってました。そうですね。
男性の性におすすめの漢方(男の腎虚)に、精子の量と運動量を増加させる補中益気湯、ビタミンB12、銅、亜鉛などのサプリメントもおすすめだそうです。
当院の男性不妊でいらしている患者様にも、さっそくおすすめしましょう〜
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2015.11.13 Friday
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認知症予防に小児鍼
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先日の鍼灸師会の研修会では、大阪府鍼灸師会の吉村春生先生による地域包括ケアシステムと鍼灸師ということで、
大変学びの多いご講義でした。今後の日本の高齢化社会に向けて考えさせられるものでした。
2025年問題 団魂の世代が75歳以上となり、3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上となります。
いかに元気で、自宅で過ごせるかが重要にはなるかと思います。
介護予防として、様々な策を考え一人一人の毎日の努力が大切になってきます。
今回、吉村先生のお話で、一番なるほどと思いましたのが、認知症に小児鍼です。
小児の疳の虫と認知症の発生機序が似ていることから、不安やストレスを和らげつつ症状を緩和できるので、ソフトな刺激の小児鍼が、認知症の予防に効果が大きいそうです。10年以上のご経験からたくさんの貴重な体験談と実技指導で、とても勉強になりました。
介護予防運動に加え、高齢者向けの擦過鍼を多くの方が知ることにより、今後の日本の明るい高齢化社会が垣間みえたような気分でした。
また、この秋冬のおなじみ、佐野市地域の高齢者向け体操教室でも取り入れていきたいと思いました。頑張るぞ〜
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2015.06.24 Wednesday
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鍼灸臨床安全研修会
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先日の日曜は、栃木県鍼灸師会、平成27年度鍼灸臨床安全研修会では、NHO栃木医療センター内科医長の矢吹拓先生によるバイタルサインの臨床的意義について学んできました。
特に、呼吸数と脈拍については東洋医学的観点とはもちろん違いがあるのであらためて勉強になりました。
せっかくの、真岡井頭温泉が会場だったのに入浴を断念して、壬生でブルベリーアイスクリームをご賞味して帰路につきました。
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2014.12.15 Monday
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妊娠期のマイナートラブルを乗り越えるために
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こんばんは
今年も、妊産婦さんの患者様が多数いらっしゃいましたが、皆さん、逆子をはじめ、様々なマイナートラブル
をかかえ受診されました。
なかでも、冷え症の妊婦さんは不定愁訴が多いです。
昨日は、鍼灸師会の研修会に女性鍼灸師フォーラム主催の辻内敬子先生による周産期のマイナートラブルに関する鍼灸治療と
リスクマネジメントについて、学んでまいりました。産婦人科外来での医師との連携のなかで鍼灸の効果に対するデーターをもとにお話し下さいましたので、大変わかりやすくみなさんにもお伝えできる内容をいくつかご紹介します。
とくに妊娠中の冷え対策は、必須であると痛切に感じました。
自宅での施灸は、患者さん自身でも行えますので、お勧めです。
お灸の効果についてもさらに確信できました。
・冷え症のある方と通常の方との比較データー
早産 → 3.4倍
前期破水 → 1.7倍
陣痛微弱 → 2倍
冷えのある方はこのようにリスクが高くなります。
・妊娠中にお灸をすることにより有益な点
帝王切開の確率を少なくできる、促進剤の利用も少なくてすむ。感染のリスクを軽減できる。
分娩時間の減少とともに出血量が少なくてすむ事も有益な点です。
マイナートラブルでお困りの妊婦さんには、鍼灸の効果を知ってもらい有意義なマタニティーライフを送ってもらいたいと思います。そして、人生大舞台の出産をの乗り越えてほしいです。
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2014.11.30 Sunday
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在宅医療と周産期の母子支援
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11月も今日で終わり、明日からは12月ですね。
今月は1日中での温度差も激しく、体調を崩される方が多かったように思います。
今週から、ますます寒気の影響で寒さが厳しくなるそうですので、皆さん、くれぐれも風邪ひかないようにお気をつけ下さい。
風邪の引きはじめに背中がぞくぞくするような時は、首のつけねの一番でっぱった骨の周囲を温風のドライヤーを程よく当て、お灸の変わりに温めると効果的ですよ。
発熱で受診希望される方が時折いらっしゃいますが、当院では、体温が37度以上の方への施術は控えさせて頂いております。
しっかりと休養をとり、高熱の場合は医療機関の受診をおすすめします。
今月の祝日は、患者様には申し訳なかったのですが、お休みを頂き研修会参加で充実の日々でした。
栃木県鍼灸師会の研修会では、在宅医療と鍼灸について
・下野市・つるかめ診療所の医師、鶴岡優子先生による「在宅医療の実際」として在宅医療の現場を細かく解説して頂きました。
・日本鍼灸師会理事の高田常雄先生からは、在宅ケアにおける鍼灸師の役割について今後様々な場面で期待される役割を鍼灸師の立場から、ご教授頂きました。介護予防体操は、素晴らしいと思いました。老後の人生これありきです!往診をはじめ、高齢者向けの体操教室の講師もさせて頂いている私にとっても、大変学びが大きかったです。
女性鍼灸師フォーラムの今回の研修会は、
・周産期心理士ネットワークの臨床心理士 野田知子先生による周産期の母子支援・医療連携をおこなうためにと心のケアについてのお話で、鍼灸師の立場でも大変診療の中で参考になる内容でした。特に、同じ産後の抑うつ状態でも、低体重児出産をされた方の心のケアが、心に残りました。
・産婦人科医師 町田稔文先生による授乳期から子育て期の女性の健康について産後のうつだけでなく、産後に現れる病気や体調不良についての対策といつでも見られる病気が、授乳期に見られた時の対応の中で、薬に頼らずに済む鍼灸マッサージの施術は、むしろおすすめしたい療法とのお話がありました。鍼灸師の立場すると、大変嬉しい内容でした。授乳期の疲労倦怠感、頭痛、腰痛、肩こり、母乳分泌不足など、当院でも来院多数ですので、納得です。
頑張り屋のお母さん達には、産後はとにかく無理せずに、育児中は適度な手抜きでリフレッシュ!
周りに頼るの良いことです、楽しい子育て親子でハッピー〜
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2014.10.12 Sunday
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月と人
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こんにちは
今月は、台風の嵐ですね。
またまた、19号と大きな台風接近です。
被害にあわれた地域の方々には、お見舞い申し上げます。
台風の影響で体調にも変化が出てきます。人間の身体は自然環境に大きく反応しています。
そしてまた、今月は、13夜のお月さん、皆既月食と月の観測に癒された方が多かったと思います。
13夜、我が家でも、お供え物をしてお月見しましたよ!
少し、月との関係についてお話ししましょう。
月と人間は、深く関わっています。
例えば、新月から満月に向かって月が太っていく時は、人も太りやすく、満月から新月に向かい月が細くなる時は、人は痩せやすいとも言われています。
満月・新月の前後は、赤ちゃんが生まれる率や人が亡くなる率が高いそうです。
また、月の満ち欠けは、女性の生理にも影響を与えたり、人間の心身を左右するとも言われています。
月の引力が最も強くなる満月の日は、何事も吸収しやすくなる日です。
生理の出血量も増えると言われ、月の引力が人間の血液や体液をも引っ張り、神経が活性化するからではないかと言われています。そのため、何を食べても太りやすい日なのですが、満月を過ぎれば徐々に吸収しにくくなるので、ダイエットを始めるのには、ちょうど良い日なんですね〜
「オオカミ男は、満月に変身し、月に向かって吠える」というのはご存じだと思いますが、事件、自殺、犯罪発生率も高いんですね。
満月には、ホルモンバランスが崩れやすくなるため、衝動的、攻撃的な感情が高まるようです。
ですから、満月前後にイライラしても、一時的なものとして気にしないようにしましょう〜
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2014.04.28 Monday
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妊娠希望のためにためになる
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昨日は、女性鍼灸師フォーラムの勉強会に参加してきました。
会場は母校ということもあり大変懐かしい思いでした。
妊娠希望の方への鍼灸治療の際の要点と注意点
講師:産婦人科マチダクリニック 院長 町田稔文先生
特に印象に残ったお話をいくつかあげてみます。
・まったく何の異常もないカップルのパターンで、無治療の不妊症カップルにおける累積生産率の曲線が、1年後〜7年後まで右肩上がりで上昇し続け50%近くまでになる
・タイミング療法の場合
キーポイントに排卵日のみに性交渉するよりも、なにも考えずに生理終了後〜次の生理前までに2〜3回交渉した方が妊娠率が良く、また、精子は子宮のいたるところに残っているので、無理に排卵日に合わせることはない
・多のう胞性卵巣症候群の方で鍼灸治療で妊娠した症例報告
※ ホルモン剤、排卵誘発剤の使用なしで、鍼灸治療で生理をおこすことだけでなく、ホルモンの状態が良くなった事例報告が、産婦人科の医師より認めていただけたことは何よりも、特に我々鍼灸師にとっても大変喜ばしいお話でした。
会員同士の交流会もあり、刺激いただいてきました。同じ鍼灸師でも看護師さん、助産師さんの方が多かったので、色々とお話を聞くことができ良かったです。
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